日野自動車は1日、東京日野(桑原優社長、東京都港区)、横浜日野(樫原章治社長、神奈川県藤沢市)、千葉日野(在原和美社長、千葉市美浜区)の3販社を統合すると発表した。2021年央に、東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県をカバーする新会社を設立する。首都圏の運送事業者が配送ネットワークを広域化する中、1都3県の販社を統合することでエリア全体を見据えた顧客のサポート体制を強化する。また、業務効率化による経営基盤の強化と、効率化によって生み出されたリソースを物流業界の課題解決に生かす考え。

 3社は1年以上をかけて統合の準備を進める。本社所在地や代表者も含め、21年央までに新会社の内容を詰めていく。

 大型車販社の顧客である運送事業者は、幹線道路網整備などを背景に配送ネットワークの広域化を加速している。日野ではこうした状況を踏まえ、首都圏販社を統合することで戦略的な拠点ネットワークを拡充する。テレマティクスサービス「ヒノコネクト」の活用も進め、広域化による利便性を最大限に引き出す。

 管理業務の集約などで効率化も進める。統合によって生み出される経営資源は、新たなソリューションビジネスの展開に生かす。日野では中期経営戦略「チャレンジ2025」で、顧客のビジネス発展支援を掲げており、先進技術やビッグデータの活用で物流業界が掲げる課題の解決につなげる方針だ。

 東京日野は1950年4月創立。従業員数は922人。販売地域は東京都に加えて埼玉県もカバーする。横浜日野は51年3月創立で、従業員数は422人。千葉日野の設立は54年11月で従業員数は387人。