CNFを活用した自動車内装部品。軽量化のカギを握る素材として研究が活発化(環境省NCVプロジェクト)
NEDOは生産プロセスの検証などを支援(日本製紙石巻工場のCNF量産設備)
環境省NCVプロジェクトのコンセプト車。外板や樹脂ガラス(バックドア用)でもCNFを活用

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO、石塚博昭理事長)は、セルロースナノファイバー(CNF)の実用化に向けて、即戦力となる開発者の育成をねらいとした社会人向けの人材育成講座を2020年度に東京大学、京都大学などで開講すると発表した。軽量・高強度で環境負荷の低い素材のCNFは、自動車部品などで本格活用が期待されている。NEDOは講座を通じて企業の製品開発の中核となる人材の育成を図り、早期の社会実装に結びつける。

 CNFは木材などを原料とする植物由来の素材で、鋼鉄の5分の1の重量で5倍の強度を持つことが特徴。リサイクル性にも優れており、ガラス繊維や炭素繊維複合材料(CFRP)の代替素材として自動車、家電など様々な分野で活用が期待されている。

 NEDOはこれまでCNFの実用化を目指して産官学連携プロジェクトを展開し、生産プロセスや安全性、原材料評価プロセスなどを検証してきた。こうした中、CNFの社会実装の拡大、促進を目指して人材育成講座を開講する。先端分野や融合分野の技術を支える人材の育成と人的交流の「場」づくりをねらい実施している特別講座の新プログラムとして行う。

 講義は東京大学、京都大学、京都市産業技術研究所、産業技術総合研究所の4機関で実施する。受講者には、講義を通じてCNFに関する各種製造技術、分析評価技術を体系的に修得してもらうとともに、実習を行うことで製品開発に必要な各種技術を身に付けてもらい、即戦力としての活躍を支援する。講義では、各機関の著名な研究者が講師を務める座学に加えて、実習を通じCNFの最新の開発動向を学べる機会を設ける。4機関合同のワークショップも開く。さらに各拠点を中心に多方面の人材との交流を推進する。こうした取り組みとサンプルワークや分析、評価の支援・アドバイスなどの相乗効果を引き出し、これまで想定していなかった新しい分野、用途の開拓を図る。多種多様な専門領域において、CNF技術を担う人材が育つという「好循環」の形成も目指す。

 CNFを利用した新たな事業を検討中の企業や、過去にCNF事業を試みて中断した企業などの参加を期待する。

 20年度は前期、後期に分けて開講。前期は4~9月に20日間の日程で行う。講義は拠点ごとに異なる内容となる(表参照)。

 受講料は無料だが、数千円程度の施設使用料や旅費・宿泊費、保険などは受講者負担となる。定員は20人で1社1人の参加に限る。申し込み多数の場合は、実施機関の担当者が協議し受講者を決定する。申し込みは産業技術総合研究所のウェブサイトで4月15日まで受け付ける。