まず、リース・レンタカー事業者やカーシェア事業者に売り込む(イメージ)

 東海理化は17日、スマートフォン(スマホ)を使ったデジタルキーシステムを来年度中に事業化すると発表した。まずはリース・レンタカー事業者やカーシェアリング事業者に売り込み、新車装着用として自動車メーカーにも提案していく。将来は車両データを活用するなどして付加価値を高める考えだ。

 車両リースや管理サービスを手がけるキムラユニティーと2月から実証事業に入った。通常のスマートキーが入った車載器が車内に置かれており、利用者はスマホアプリで車両を予約してデジタルキーの配信を受ける。スマホをかざすとドアが解錠し、車載器からスマートキーを取り出せる仕組み。鍵を管理する手間が省けるほか、予約や利用実態も管理システム上で把握できる。キムラユニティーの社用車やリース先の車両を使って4月末まで実証し、完成度を高めた上で2020年度中に売り込みを始める。事業者のサービスやシステムに組み込む形で実用化する。

 スマホを車の鍵代わりにする技術は欧米で先行し、昨秋には日本でも規制が緩和された。今回のデジタルキーシステムは車両のスマートキーを併用しているが、信頼性向上やコスト削減が進めば、車両の鍵がスマホに一本化される可能性もある。東海理化はスマートキー事業で培った品質や信頼性を武器に自動車メーカーにも売り込むほか、既存車向けでは車載式故障診断装置(OBD)のデータを車両管理に活かすなどし、デジタルキー事業を伸ばしていきたい考えだ。