罰則化により危険運転の抑制が期待される(写真はイメージ)

 政府はあおり運転の罰則規定の新設などを含む道路交通法の改正案を3日、閣議決定した。75歳以上の高齢ドライバーを対象に、一定の違反歴がある運転者に実車による試験も義務付ける。社会問題になっているあおり運転や高齢ドライバーによる交通事故の抑制につなげる。さらに、旅客輸送に必要な第二種免許や大型免許の受験資格の条件緩和も盛り込んだ。旅客輸送や物流を支えるドライバーは人手不足感が増しており、免許取得の間口を広げることで旅客各社が十分なドライバーを確保しやすい環境を整える。政府は改正案を、今国会での成立を目指す方針だ。

 あおり運転対策では通行妨害目的で、交通の危険の恐れのある方法によって車間距離の不保持や急ブレーキ禁止など一定の違反を行った場合、懲役3年・罰金50万円以下の罰則を設ける。さらに、高速道路上で停車させるなど著しい危険を生じさせた場合は懲役5年・罰金100万円以下と厳しくする。同時に、あおり運転を運転免許の取り消し処分の対象に追加する。

 高齢ドライバーには75歳以上の違反者の運転免許証更新時に、運転技能検査の受検が必要となる。検査結果が一定の基準に満たなければ運転免許証の更新は行わない。また、申請により、運転できる車両を緊急自動ブレーキなど安全運転サポート車に限るなどといった条件付免許も付与するとしている。

 第二種免許や大型免許の受験資格も見直す。これまで、21歳以上(中型免許は20歳)かつ普通免許の取得から3年以上などが条件となっていたが、特別な教習を受けることにより特例で19歳以上かつ1年以上に緩和する。しかし、従来の条件に達するまでに違反が一定基準に達したドライバーには講習の受講を義務付け、これを行わない場合は特例で取得した免許を取り消す。

 あおり運転や高齢ドライバーに起因する交通事故は悲惨な結果を招くケースも目立っており、一般の関心も高まっている。さらに、ここ数年のインバウンド需要や物流量の急増などを受け、輸送業界は免許の条件緩和など対策を求めてきた。今回の改正案はこうした社会的要請に応えるもので、今後の審議の行方にも注目が集まりそうだ。