シェアリング駐車場を展開するakippa(アキッパ、金谷元気社長、大阪市浪速区)は、他社との連携を加速しながら着々と事業体制を強化している。昨年10月にSOMPOホールディングスの関連会社となったことを生かし、「安心できるサービスの提供」や「個人宅駐車場」など、これまで課題に挙げていた領域へのアプローチを進めている。22年には駐車場20万カ所、会員数1千万人を目指すという同社の金谷元気社長CEOに経営のかじ取りを聞いた。(藤原 稔里)

 ―シェアリング駐車場の展開状況について

 「シェアリング駐車場事業の拡大に注力したことが好調な業績にもつながった。現在サービスの会員数は170万人で、契約駐車場数は3万3000カ所になった。契約件数を増やしたことが業績を後押しした」

 ―現在、契約している駐車場の所有者の内訳は

 「個人宅駐車場の契約率は全体の10%程度で、残りは月極駐車場やコインパーキング、商業施設・ホテルの駐車場などがほとんどだ。アキッパに登録してもらうと稼働率向上につながると自負している。コインパーキングは、外出先で看板を見て存在に気付くケースが多いが、ネット検索の場合にはアキッパに登録すれば上位に出てくるため稼働率が上がる」

 ―個人宅駐車場の開拓は

 「個人宅駐車場の割合はまだまだ低い。法人であれば1社で十数台分の駐車場が契約できるが、個人宅はほぼ1台分しか獲得できない。これまでは、駐車場数を効率よく増やすため法人優先になってしまっていた。10月にSOMPOホールディングスの関連会社となったことで、代理店網を活用した新規開拓に期待している」

 ――SOMPOの関連会社となった強みは

 「保険会社と連携できることで、駐車場のオーナーに安心して契約していただける。駐車場トラブルはほとんど保険適用内で対応できるものの、他人に貸すことには不安がある。保険会社と組むことで契約の際に心理的なハードルを下げられる。22年には会員1千万人、契約駐車場20万を目標に掲げているが、SOMPOホールディングスのネットワークのおかげで達成の見込みは非常に高い」

 ―海外でのサービス展開については

 「海外でも十分需要はあると見ている。特に東南アジアは、路上駐車が当たり前となっているが今後は規制が強くなるだろう。特にインドネシアではインフラがまだまだ整備されていない状態で、サービスを展開すれば普及が一気に進むはずだ。現在は市場調査の段階だが、数年先を見据えたサービス展開を視野に入れている」

 ―MaaS(サービスとしてのモビリティ)関連事業に乗り出したねらいは

 「MaaSでは、目的地の設定が重要になると感じている。例えば目的地をこちらが用意し、そこまで車で移動してアキッパの駐車場に停めてもらい、その後の移動は電動キックボードやタクシーを使ってもらう。このように当社はMaaSの専門部隊を作り『コトづくり』を進めている。昨年9月にはサッカーのJ1チームのセレッソ大阪とともにホームタウンの活性化に向けた実証実験を行った。目的地を設定し、移動手段を提案・提供することが当社サービスの利用促進にもつながる」

 〈プロフィル〉 かなや・げんき 2003年3月大阪府立松原高等学校卒、同年4月サッカーの地域リーグクラブに入団。個人事業で求人誌を立ち上げる。07年上場企業に就職し、法人向け携帯販売の営業を経験。09年合同会社ギャラクシーエージェンシー(現アキッパ)を創業。1984年12月生まれ、35歳。大阪府出身。