カルロス・ゴーン氏

日産自動車は2月12日、横浜地方裁判所にカルロス・ゴーン元会長に対して長年にわたる不正行為で会社に与えた損害100億円を求めて提訴したと発表した。

損害賠償請求は、「CEOリザーブ」を私的に流用した不正支出や、レバノンやブラジルなど、海外の住居の無償使用、コンサルティング実態のない元会長の姉に対する報酬支払い、レバノンの教育機関への寄付、レバノンの弁護士への支払い、コーポレートジェットの私的利用、不正行為に関する内部調査費、日本・米国・オランダその他地域で発生した当局調査対応費用など。

日産は2019年8月30日に英国領バージン諸島でゴーン元会長と関係者を相手取り、豪華ヨットの帰属と賠償を求めて提訴しており、今回の損害賠償請求はこれに続くもの。今回の提訴は、ゴーン元会長による不正で日産が被った損害についてゴーン元会長の責任を追及する基本方針の一環としている。

また、保釈条件に違反してレバノンに逃亡したゴーン元会長が現地での記者会見で日産の元役員などの実名を挙げて批判したことについて「名誉を毀損する発言について、別途、法的手続きをとる権利を留保する」としており、さらに損害賠償の請求を検討している。