ホンダの労働組合は2月12日、2020年春闘での賃上げについてベースアップ(ベア)月1000円とチャレンジ加算1人平均1000円を要求した。合計2000円で、前年要求のベア月3000円から減額した。前年のベアの実績は月1400円だった。

チャレンジ加算は、従業員の挑戦意欲を高めるため、実績評価だけでなく、特別なチャレンジングな行動を評価する独自制度で、年に2回チャレンジングな取り組みを行った従業員に対して賃金を上乗せする。今回の要求では制度の拡充を求めている。

年間一時金については、四輪車事業を中心に業績が低調なことから、前年実績より0.3カ月分減となる6.0カ月分を要求した。内訳は年間5.0カ月と成果配分1.0カ月。

また、労働時間短縮として休日の1日増も要求した。

要求を受けて経営側は「今回の要求は、チャレンジ加算や労働時間短縮を織り込むなど、従来の要求のあり方から大きく変わったと捉えている。持続的な成長に向けて一人ひとりの行動変革を促すとともに、チャレンジ精神のホンダらしい職場風土を構築することが必要不可欠と考え要求されたものと受け止めている」と評価。その上で「人への投資についても全員一律ではなく、多様な配分のあり方を真摯に議論すべき時期に来ている」とし、従来の枠組みに捉われない観点で議論していく姿勢を示した。