会見した関次期社長(左)と永守会長

 日本電産の社長に、日産自動車元副COO(最高執行責任者)の関潤氏が4月1日付で就任する。日本電産は関氏を迎え入れることで、注力している車載事業の体制を強化し、事業成長を加速させる。4日に京都市内で開いた社長就任会見で、新社長として登壇した関氏は「2030年に売上高10兆円を掲げる日本電産での究極の成長をともにしたい」と抱負を語った。

 関氏は1986年に日産自動車に入社し、約20年間エンジンの製造に携わった。中国では成長基盤を構築した。永守重信会長は数年前から関氏の手腕に注目しており「関氏が日産の社長になると見ていたが、副COOになったので猛アプローチした」と話す。

 当初は「日産のために働くという意思が強くなかなか落ちなかった」(永守会長)が、30年に10兆円企業を達成するためには関氏が必要だと再三訴え、関氏は入社を決意した。2019年12月20日前後に返答し、1月11日付で日産を退社し、12日に特別顧問として日本電産に入社した。関氏は「日産では立場が上になり、私についてきてくれる従業員もいた。ただ私も年なので最後のわがままだと(日本電産の入社を)決めた」と日産への思いも語った。