日野自動車は1月29日、2019年度第3四半期連結業績の記者会見で、新型コロナウイルスの感染が拡大していることから中国・上海にあるエンジン生産拠点と、広州にある完成車拠点の稼働再開を2月9日以降にすることを検討していることを明らかにした。

日野の中国生産拠点は1月24日から春節の休日となり、2月3日に稼働する予定だった。現在は政府の要請に応じて2月5日まで生産停止することを決めていたが、上海と広州は2月9日まで事業活動を自粛するよう要請があったことから、検討しているという。
中国政府が事業活動の再開を認めても、サプライヤーが従業員の出勤状況などによって部品調達に支障がでる可能性もある。このため、部品調達先の状況や、部品が不足した場合、日本などから調達が可能かなどを調べている。また、同社の中国生産拠点の現地の従業員のうち、帰省などで湖北省に入った人は、2週間自宅待機して感染していないことを確認してから出勤してもらう。

日本から出向していた従業員は約35人だが、ほぼ全員が春節前に帰国していた。家族が現地にいるなどで残っている4、5人については帰国させることを検討しており、支援も実施するとしている。

日野の中国の生産拠点の従業員数は2拠点合計で約1500人。生産台数は年間約3000台。

日野の中根健人専務役員は業績への影響について「感染が広がるかがポイントで、中国だけでなく、グローバルで広がった場合、大きな影響がでる」と述べた。