IHIは28日、ガソリンエンジン向けターボチャージャーを生産するIHIターボアメリカ(ITA、イリノイ州)の工場を拡張し、生産能力を増強したと発表した。北米市場の複数の大型プロジェクトに対応するもので、12月に量産開始を予定する。生産能力は2021年度に18年度比7倍超の約150万台に引き上げる計画だ。

 北米市場ではエンジンのダウンサイジングを目的とするターボチャージャーの需要が増加しており、20年には全体で500万台超となる見通し。ITAでは16年度からターボチャージャーの量産を開始した。今回の工場拡張は隣接地を購入し、建屋の増築で延べ床面積を1万1600平方㍍から3万4200平方㍍に拡大。すでにほぼすべての設備を導入し、量産準備を進めている。

 同社は北米事業強化の一環で、17年11月にデトロイトに営業・開発拠点を開設した。今後も北米自動車メーカーほか、欧州拠点との連携で北米市場における欧州メーカーへの営業も強化を図り、北米での車両過給機事業を中国に続く事業の柱に育てる計画だ。