陸上男子100メートルの世界記録保持者で「世界最速の男」と呼ばれたウサイン・ボルト氏が共同設立者の1人である米国のボルト・モビリティが電動キックボード事業を日本市場で展開する。

ボルト氏も出席して11月15日に都内で開催した発表会で、ボルト氏は「都市で移動を変えていくクリーンなソリューションを提供できることにワクワクしている」と述べた。同社は電動キックボード「ボルト・シャリオ」と「ボルト・ワン」の2つのモデルを開発、米国などで販売している。

両モデルともにバッテリーを下層部に装着しており、重心が低く、運転しやすくした。2つの前向きの踏み台を設けており、身体を正面に向けてバランスをとり易い設計にした。ドリンクホルダーや荷物を置くスペースを確保しているほか、バッテリーはカセット式で交換できる。出力は250ワットで、最高時速が24.1km/h。航続距離は40~55kmを想定しており、坂道の傾斜15度でも走行できるという。

電動キックボードは、欧米で市場が急拡大しており、シェアリングサービスの提供も盛んだ。ラストワンマイルモビリティとして活用が期待されているが、日本は規制されており、実質的に公道を走行できない。

ボルトモビリティでは、当面は大学などの構内移動や、公道以外での高齢者の移動手段での活用などを想定している。同社のサラ・ヘインズCo-CEOは「持続可能な移動手段を提供して社会変革を起こしていきたい」と述べた。

一方、ボルト氏は同社が現在、小型電気自動車(EV)「ボルトナノ」を開発しており「2020年の市販化に向けて準備を進めており、開発パートナーを探している」と述べ、電動モビリティ事業を拡大していく方針を示した。