「くるり奈良Web」(左)と「IMRIDE」(右)の画面イメージ
ユーザー体験の流れ(イメージ)

デンソーや奈良交通などは、訪日外国人を対象に、シンガポールから奈良まで、飛行機、リムジンバス、奈良市内周遊バス、タクシーなどの移動をスマートフォンで検索・予約・決済できる観光型MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)「くるり奈良」の実証実験を、2019年10月1日から12月末まで実施する。

実証実験は、他に電通国際情報サービス、米国のActiveScaler、運輸デジタルビジネス協議会が参加する。飛行機とリムジンバス、奈良市内周遊バスなどをシームレスに統合するとともに、出発前や旅行中の観光客にAI(人工知能)を活用して奈良の魅力を伝える画像を配信、周遊や滞在時間拡大を促す仕組みを構築する。

具体的には、奈良各所のSNS映えする画像を、AIが自動配信するWebアプリ「くるり奈良Web」と、気に入った場所への交通手段の検索、チケット予約・決済、目的地ナビゲーションなどを提供するスマートフォン向けアプリ「IMRIDE」を使って、シンガポールから奈良へ観光客の誘致と、実際の移動・周遊をシームレスに連携する。

両アプリの提供を通じて訪日外国人の奈良市西エリアへの行動変容が起きるか、滞在時間が増えるかを検証する。

奈良は、東大寺をはじめとする8つの世界遺産など、観光資源が東西に広がり、毎年数多くの外国人観光客が訪れているが、著名な観光名所が多い東エリアでの短時間滞在が中心で、域内消費につながりにくい。実証実験を通じて滞在時間や域内消費の拡大につなげていく。