AI試乗ソリューションの顧客体験イメージ

電通と電通デジタルは9月17日、ディーラーで顧客が試乗する際、営業スタッフに代わって車載用スマートフォンのAI(人工知能)が試乗ルートの案内や、試乗している新車の特長などを伝える「AI試乗ソリューション」を開発したと発表した。販売会社で試乗車に同乗する営業スタッフの業務の効率化につながるとしている。

AI試乗ソリューションは、日本語AIの自然対話サービス「Kiku-Hana(キクハナ)」とカーナビアプリを組み合わせた独自システムとして開発した。トヨタ自動車、ネッツトヨタ北九州の協力で2019年3月に実証実験を実施し、効果を確認できたことから実際の運用が可能なシステムとして開発した。

試乗車に営業スタッフが同乗するのに代わって、キャラクターが案内するため、顧客も楽しく、気楽に試乗できる。試乗車の走行ルートや事前のアンケートの内容に基づいて、AIが顧客ごとに趣味や、し好に合わせてコミュニケーションをとるという。

販売会社の営業スタッフは、顧客が試乗している間、査定など、他の業務を行えるようになるため、業務の効率化が図れる。また、試乗に関するAIからの質問に対する顧客の回答や、顧客の質問をデータ化し、営業スタッフは、その後の商談に活用できる。

将来的には、試乗中のAIと顧客の会話に加え、試乗予約などの自動化や、会話データの自動分析に基づいて、営業スタッフに顧客ごとに最適化を図ったセールスシナリオを提供する方針。

まずネッツトヨタ北九州、トヨタカローラ熊本、トヨタカローラ鹿児島にソリューションを提供し、販売会社3社は9月21日以降順次、来店客向けにサービスを提供する。