日産自動車は9月9日、取締役会で、西川廣人社長を含む同社の複数の役員や元役員が報酬を不正に上乗せしていた問題について関係者の処分などを審議する。西川社長の進退が注目される。

西川社長ら同社の役員は株価に連動して受け取るSAR(株価連動型報酬制度)で、社内規定に違反して、あらかじめ設定されていた基準日から株価が上昇した時にずらし、数千万円を不正に上乗せされた報酬を受領していた。

カルロス・ゴーン日産元会長が有価証券報告書で報酬を少なく記載していた不正事件で逮捕・起訴されているグレッグ・ケリー日産元取締役が雑誌のインタビューで不正を指摘、同社は社内調査を実施してきた。

西川社長は不正の存在を認めた上で、自らが指示したことは否定していた。9月9日の取締役会で報酬上乗せに関する調査結果が説明され、その後、処分が検討される見通し。西川社長は、不正への関与を否定した上で、辞意を表明する可能性がある。

西川社長は完成検査に関する不正や、ゴーン元会長の事件を受けて経営責任を問われてきたものの、報酬を減額するなどしてトップの地位にとどまってきた。今回は仮に関係者に一任して直接関与していなかったとしても、自身の報酬の問題で、ゴーン元会長の報酬の不正を追及してきただけに社内での求心力の低下は避けられない。

ただ、西川社長が辞任する場合でも後任選びは難航する見通し。西川社長は次世代の経営陣を育成していく方針を示しており、短期的な交代は想定外だ。さらに後任人事を巡っては、日産との経営統合を目指すルノーが関与を強める可能性も否定できない。