電気自動車が走行中に給電する様子(イメージ)(画像 JST)
電気自動車が走行中に給電する様子(イメージ)(画像 JST)

東京大学、日本精工、ブリヂストンは共同で、走行中の電気自動車(EV)のインホイールモーターにワイヤレス給電する技術の実用化を目指すことで合意したと発表した。2022年までにこの技術を搭載した車両を評価し、2025年に実証実験フェーズへの移行を目指す。

日本精工とブリヂストンは昨年から、東京大学大学院新領域創成科学研究科の藤本研究室が展開する科学技術振興機構(JST)未来社会創造事業の研究プロジェクト「電気自動車への走行中直接給電が拓く未来社会」に参画している。プロジェクトは、ホイール内に配置したモーターへ走行・停車中に路面から直接給電する。実用化できればEVの航続距離を確保しながら、バッテリー搭載量を小さくしてEVの軽量化が図れる。

東京大学はインホイールモーターへのワイヤレス給電コンセプトの立案と改良、基盤技術の研究開発を担当する。日本精工はこれまでのインホイールモーター開発で培った技術を活かして搭載性に優れたインホイールモーターを開発するとともに、走行中給電インフラの社会実装を検討する。ブリヂストンは、給電を阻害しない有機材料の知見やタイヤ開発の技術を活かし、給電時にインホイールモーターへの電力伝送を高効率で達成するためのタイヤ開発を担当する。

3者はプロジェクトに関する基本特許をオープン化することで合意、プロジェクトの運営委員会で承認された企業・団体が権利化した技術を無償で使用可能となる知財の仕組みを整備する。

プロジェクトではインホイールモーターの設計・試作・評価、搭載車両を製作して2022年までにタイヤを含めた実験車両で評価する。また、他の組織・企業が持つさまざまな領域の知見を広く採り入れながら2025年に実証実験フェーズに移行する計画。