ホンダは、8月に全面改良して発売する「N―WGN(エヌワゴン)」でオランダのシャシー・ブレーキ・インターナショナル(CBI)のドラム式電動パーキングブレーキ(EPB)を採用した。CBIは2012年まで独ボッシュのブレーキ部門だった企業。「ホンダセンシング」のシステムサプライヤーがボッシュのため、協調制御しやすいCBI製のEPBを採用した。

 ホンダは、14年12月に発売した「N―BOX(エヌボックス)スラッシュ」で世界で初めてドラム式のEPBを実用化。EPBは、機械式パーキングブレーキで見られる力の強い男性がかけたブレーキを女性が解除できないケースを回避できるため、使い勝手は向上したものの、コスト高の要因になるため、以降に発売した車種では採用を見送ってきた。

 新型エヌワゴンではアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)に新たに渋滞追従機能を追加したため、停車状態を一定時間以上保持できるEPBを採用した。エヌボックススラッシュではアドヴィックス製を採用したが、ホンダセンシングとの協調性を理由にサプライヤーを変更した。

 CBIは、12年にボッシュがファウンデーションブレーキ事業を米KPSキャピタルパートナーズに売却したことで創業したブレーキ専業メーカー。今年6月には日立オートモティブシステムズがKPSからCBIを買収すると発表している。