日産自動車は6月21日、指名委員会等設置会社への移行に伴って設置する監査委員会の委員にルノーのティエリー・ボロレCEOが就任するなどの新しい経営体制を発表した。日産の当初の経営体制の案では、ボロレCEOが委員に入っていなかったことからルノーは反発、日産が6月25日に開催する定時株主総会で、指名委員会等設置会社へ移行する議案を「棄権」する意向を表明していた。日産はルノーの要請を受け入れることにした。また、取締役会の議長には、新しい社外取締役に就任する予定の木村康JXTGホールディングス相談役が就任することも決めた。

日産は指名委員会等設置会社へ移行するのに伴って、指名委員会・報酬委員会・監査委員会の3つの委員会を設置する予定。各委員会のメンバーは過半数が社外取締役で構成し、委員長も社外取締役が務める。

当初の日産の案ではルノーのジャンドミニク・スナール会長が委員会の委員を務める予定だったが、ボロレCEOは入っていなかった。このため、ルノーは日産に対して、指名委員会等設置会社に移行する議案を棄権する意向との書簡を送付した。スナール会長はルノーの定時株主総会で「日産のガバナンスが変わることは賛成しているが、ボロレCEOが委員会メンバーに入っていない。ルノーの代表者が委員会に議席を持ちたいだけで、それ以上は求めていない」と述べた。

日産とルノーは協議し、今回、ボロレCEOが監査委員会の委員に就任することを決定、ルノーは日産の定時株主総会で指名委員会等設置会社への移行する議案に賛成する。スナール会長は、取締役や執行役を選任する指名委員会の委員となる。

日産の取締役会は社外取締役となる予定の木村氏が議長で、スナール会長が副議長、社外取締役の豊田正和氏が筆頭独立社外取締役となる。