明治30年代、日本で初めての乗合自動車(バス)が広島の街を走った。その運行に情熱を燃やし、家業を賭けた当時のアントレプレナー(起業家)たちを描いたのが本書だ。広島市で貸し自転車業を営む鳥飼繁三郎の元に新しもの好きの何人かが集う。当時、自転車は日本に数台が輸入されたばかり、彼らは夢中になりハンドルを操る。やがて、彼らの耳に自動車というものがあること…