ソフト99、MBOが不成立 エフィッシモの対抗TOBが成立 議決権36%保有の大株主に

  • カー用品・補修部品
  • 2025年11月14日

 ソフト99コーポレーションのMBO(経営陣が参加する買収)による株式の非公開化に向けたTOB(株式公開買い付け)をめぐり、旧村上ファンド出身者が設立した投資ファンドのエフィッシモ・キャピタル・マネージメントは11月14日、ソフト99への対抗TOBが成立したと発表した。エフィッシモは、株式買い付け予定の下限を上回る応募を取得。取得済み株式と合わせて、議決権ベースで約36%を保有する大株主になった。併せてソフト99 も同日、応募数が株式買い付け予定の下限に届かなかったため、応募株の買い付けを行わないと発表。MBOは不成立となった。

 エフィッシモは今回のTOBで、株式買い付け予定下限としていた616万3300株を上回る、676万7917株の応募を取得した。

 エフィッシモは、ソフト99によるTOBに対して、「買い付け価格(1株当たり2465円)はPBR(株価純資産倍率)1倍を下回る著しく割安な水準にある」と少数株主利益の保護への強い懸念を表明するとともに、対抗TOBを9月16日に開始。1株当たり4100円と、ソフト99より66.3%高い買い付け価格を設定し、株主利益の確保をソフト99の株主に訴えたことが奏功した。

 ソフト99は、カーケア用品へのニーズ変化や法規制の強化などの不透明な事業環境に対して、中長期的な成長への施策を迅速に行う経営体制の構築が必要として、創業家出身の田中秀明社長が全株式を所有する特別目的会社が、MBOを前提とした自社へのTOBを8月7日に開始した。TOB開始前の年初来高値(1株当たり1807円)から、相当のプレミアムを付与した価格を設定。安定した経営基盤の構築というMBOの意義を訴えるとともに、10月17日には1株当たり2680円へ引き上げたが、エフィッシモへの応募数を上回ることはできなかった。

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