〈第4回CSP大賞自動車ユーザー連携賞〉新明工業 新しいクルマ社会の未来を切り開く活動 子どもたちにものづくりの魅力伝える

  • 企画・解説・オピニオン
  • 2025年11月13日 05:00

 新明工業(近藤恭弘社長、愛知県豊田市)は、第4回CSP大賞で「自動車ユーザー連携賞」を受賞した。レストア事業や社会に役立つ車の考案、子どもたちへものづくりの魅力を伝える活動などに取り組む点が評価された。

 同社の創立は1949年。長い歴史の中で、日本初の積載車の制作やトヨタ「パブリカ」の1日車検などを実現してきた。

 これらに携わったのが、自動車事業本部の石川實顧問だ。70年以上にわたる「修理屋」としての経験を生かして、さまざまな事業に取り組む。

 94年、トヨタ産業技術記念館の開館にあたり、約170台のレストアを完了させた。トヨタ自動車の社長などを務めた故・豊田英二氏から「動かなければクルマじゃないと言われた」(同)ことを守り、必ず走行できる状態にレストアすることがこだわりだ。

 また、社会に役立つクルマの制作も行う。高速道路でパイロン回収をしていた作業員が亡くなった事故を受けて、安全に作業ができる車を制作しようと立ち上がった。最終的にはトヨタ自動車などの協力を得て、パイロンの設置・回収を自動で行う特装車「ロボコーン」を開発した。現在では、災害時などに活用する「トイレカー」など、時代やニーズに合わせた車両を制作している。

 石川顧問の原点は、子どもの頃に見よう見まねで「トヨモーター」を修理して、周囲から喜んでもらったこと。「将来を決めた忘れられない体験」をしたときに感じた想いを子どもたちに伝えるため、小学校5年生以上を対象としたものづくり学習のプロジェクトにも参画する。同社としても子ども向けの整備士体験などのイベントを行っており、「種まきの取り組み」(同)は着実に実を結んでいる。同社や自動車関連産業に就職した子どもも多い。

 「覧古考新」が新明工業がレストアやクルマ社会の未来に向けて取り組むテーマ。「古いものを見て昔の人がどうしてこうしたのか考え、新しいことに生かしていく」(同)ことを大切にし、レストア事業や未来をつくる子どもたちを対象とした事業を通じて、次の世代に伝えていく方針だ。

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