スズキは、車体軽量化の取り組み「Sライトプロジェクト」の技術を採用した軽自動車を2030年をめどに投入する。車体では、プラットフォーム「ハーテクト」をベースに超高張力鋼板(超ハイテン材)の採用や材料置換、ワイヤーハーネス(組み電線)を短くするための構造最適化などで100キログラムの軽量化を目指す。まずは軽から導入し、コンパクトカーなどにも広げる。確立した軽量化技術は前倒しで市販車に採用していく方針だ。電動化戦略と組み合わせ、環境性能のさらなる向上につなげる。
スズキは、昨年7月に実施した技術説明会で現行「アルト」(680キログラム)比で100キログラム軽量化する目標を掲げたが、今回、取り組みの進ちょくとして80キログラムの軽量化にめどをつけた。内訳は、部品の軽量化で50キログラム、構造進化で20キログラム、仕様の見直しで10キログラム削減した。
軽量化に大きく寄与しているのが、引っ張り強度で1470メガ パスカル 級の超ハイテン材の使用拡大だ。加工ではホットスタンプ(熱間プレス)を採用し、接着剤も活用する。樹脂部品では発泡成形を採用することで材料の量を半減。また、車体構造を見直し、ワイヤーハーネスの取り回しを変えることで長さを短くするほか、ハーネス自体もアルミ化する。目標に対して残り20キログラムの軽量化については、ボルト類の長さの最適化や、樹脂クリップの採用などの積み上げで実現を目指す。
技術統括の加藤勝弘副社長は「異業種との交流も行いながら軽量化のヒントを探して『1グラムでも軽く』にチャレンジする」と話す。アルトの実車を家電メーカーや鉄道会社に持ち込み、軽量化のヒントを探る取り組みにも着手し、常識にとらわれない軽量化策を模索している。
車載電池を搭載する電動車は重量がかさむことから、軽量化技術の重要度が増している。車体の軽量化技術では、アルミを巨大なダイカストマシンで一体成型する「ギガキャスト」や、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を用いる手法もあるが、コストが高く上級車種での採用に限られる。スズキはできるだけコストをかけず、「1グラム」の積み上げで100キログラムの軽量化を目指す。

















