KDDIは、全球測位衛星システム（GNSS）による高精度測位情報配信サービスを展開するジェノバ（河野芳道社長、東京都千代田区）と業務提携契約を4月に締結した。両社の技術基盤を生かし、リアルタイムで誤差数センチメートル以内の測位が可能な高精度測位情報配信サービスを提供する。農業や自動運転、防災、防犯、災害復旧、インフラ点検などIoT（モノのインターネット）や第5世代移動通信システム（5G）の活用が期待されるさまざまな領域での活用を見込む。

　位置情報を利用するサービスが拡大している。ただ、自動運転などは従来の全地球測位システム（GPS）単独では精度に課題が残るため、これらを解決する誤差数センチメートル以内の測位技術に期待が高まっている。

　ジェノバは特許技術となるGNSS測量・測位の補正情報を提供しており、利用者は配信データとGNSS受信機で観測したデータを組み合わせることでリアルタイムに誤差数センチメートル以内の測位が可能になる。KDDIは、IoTや5Gの活用が見込まれる自動運転や建機の遠隔操作などで実証実験を実施しており、位置情報を組み合わせた新たな価値の創出に生かしていく。