マツダは9月20日、基幹車種となる新型コンパクトSUV「CX-30」の注文受付を同日から開始すると発表した。5月に発売した新世代商品「マツダ3」に続く第2弾となるモデルで、「CX-3」と「CX-5」の中間に位置し、クーペのようなデザインと、室内空間の両立を図った。新型車は他銘柄ユーザーの取り込みを狙っており、特に輸入車ユーザーの開拓を想定、グレード別で最高価格は370万円を超える。マツダは新車の価値を訴求することでインセンティブ(販売奨励金)を抑制、売上げ単価を引き上げる目標を掲げており、新型車は目標達成に向けて重要な役目を担う。
CX-30はマツダ3に採用した新しいプラットフォームをベースにしたコンパクトSUVで、全長が4395mm、全幅が1795mm、全高が1540mm、ホイールベースが2655mmと、サイズがCX-3とCX-5のほぼ中間に収まっている。市街地などで、取り回しが良く、運転しやすいボディサイズを狙った。若いファミリー層などで「CX-3では車内空間が狭いが、CX-5では大き過ぎる」などのユーザーが、ホンダの「ベゼル」やトヨタの「C-HR」に流れていたという。
新型車はデザインと実用性を両立するため、バックウインドウ下端を後退させてDピラーを寝かせることで、後席の居住性とスポーティなキャビンに仕上げたという。サイドビューは黒い樹脂部品で下半分を隠し、ボディをスリムに見せるとともに、リアビューはキャビンからリアフェンダーを張り出し、「くびれ」形状にすることでスポーティにしたという。
パワートレーンは2リッター直列4気筒ガソリンエンジン「スカイアクティブ-G 2.0」1.8リッター直列4気筒直噴クリーンディーゼルエンジン「スカイアクティブ-D 1.8」と、独自の燃焼方式「火花点火制御圧縮着火」によって低燃費にした2リッター新世代ガソリンエンジン「スカイアクティブ-X 2.0」の3種類を設定する。
4WDシステム「i-アクティブAWD」は、G-ベクタリングコントロールとの協調制御によってニュートナルなコーナーリング性能を実現する。4WD車には新開発の「オフロード・トラクション・アシスト」を採用し、悪路からスムーズな脱出を実現するほか、さまざまな路面環境で安全で安心な走行を支援する。
インテリアでは、コックピットをドライバー中心に表示機器や操作スイッチを左右対称に配置した。前席は広く確保するとともに、幅広のセンターアームレスト・ドアアームレストを採用、快適な着座姿勢をとることができる。後席は前席との距離を長めにとり、着座位置の高さと、フロア高を調整することで、頭上空間を確保した。
マツダは「アクセラ」の車名をモデルチェンジに合わせてマツダ3に変更するなど、国内で販売するモデルの車名をグローバルで統一した。SUVのCXシリーズは現在、車名の数字は1桁だが、新型車は初めて2桁にした。開発責任者の佐賀尚人主査は「デザインやパッケージを進化させ、高い次元で融合したことを認知してもらうため」と説明、今後、他のCXシリーズの車名が2桁になるかは「未定」としている。
新型車の販売計画は月間2500台。エンジン別の構成比はスカイアクティブ-Xが全体の25%、ガソリンエンジンが40%、ディーゼルエンジンが35%と見ている。また、購入者のターゲットは若いファミリー層と想定、特に輸入車などに乗るマツダ車以外の顧客を取り込んでいく方針だ。マツダ車からの代替が40%、新規ユーザー60%を見込んでいる。
価格はスカイアクティブ-Gエンジン搭載モデルが239万2500~303万500円、スカイアクティブーDエンジン搭載モデルが288万7500~330万5500円、スカイアクティブ-Xエンジン搭載モデルが329万4500~371万3600円。
CX-30はグローバルに投入する予定で、日本ではスカイアクティブ-Gとスカイアクティブ-Dが10月24日、スカイアクティブ-Xが2020年1月以降に販売する。欧州市場は9月中に販売、今後、北米や中国にも順次、投入していく予定だ。





















