連載「新人歓迎 自動車業界入門2026」(6)自動運転「レベル2+」

自動運転技術の開発や普及を目指し、米自動車技術協会(SAE)が2016年につくったのが「レベル0」から「レベル5」までの技術区分です。ざっくり言うと、「レベル1」は衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)やアダプティブクルーズコントロール(ACC)といった単体技術で、「レベル2」はそれらを組み合わせ「車線をはみ出さずに前走車に追随して走る」といった機能を指します。レベル2までは、あくまでドライバーのサポート役で、運転に伴う責任は今まで通りドライバーが負います。

「レベル3」以降はシステムが運転主体になるケースがあるため、技術的な難易度が一気に上がります。21年にはホンダが世界で初めてレベル3搭載車を売り出しましたが、作動条件がシビアで、使い勝手が良いとは必ずしも言えませんでした。

こうした中、中国で普及し始めたのが、レベル2のまま機能を高度化させた「レベル2+(プラス)」あるいは「レベル2++(プラスプラス)」と呼ばれる技術です。基本はレベル2のため、ステアリングから手を離していてもドライバーが前方を常に注視する必要があります。ドライバーモニタリングシステム(DMS)という装置がついており、居眠りや長時間のよそ見を検知すると作動を止めてしまいます。

「レベル2++」は、従来の高速道路だけでなく信号機や交差点がある一般道にも対応し、目的地までの全経路をシステムがほぼ運転する「ナビゲーション・オン・オートパイロット(NOA)」と呼ばれる機能を実現します。

「+」の数が増えるほど完全自動運転に近づきますが、運転責任はあくまでドライバーにあるため、自動車メーカーは安心して装置を搭載できるのでしょう。国土交通省はレベル2++の認定制度を創設する方針で、日本でも普及が見込まれます。

「レベル4」(高度運転自動化)技術もタクシーやバス用として開発中ですが、レベル2+や++は、自家用自動運転技術の“現実解”と言えそうです。

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