イランへの軍事行動、中古車輸出業界で懸念広がる 最多のUAE向けが停止 海上輸送全体への影響も

  • 中古車流通
  • 2026年3月5日 05:00

中東情勢の緊迫を受けて、中古車輸出業界で懸念が広まっている。ホルムズ海峡の通過に支障が出たことで、中古車の最大の仕向け地であるアラブ首長国連邦(UAE)への輸送が困難になった。すでに同国向けの出荷も止まっているもよう。影響が長期化すれば、UAE以外の港でも船舶の動きが滞る可能性があり、今後の海上輸送の動向を業界関係者が注視している。

米国とイスラエルによるイランへの軍事行動を受け、輸出事業者らが情報収集を急いでいる。現在、ホルムズ海峡周辺では多数の船舶が待機している状況だという。ある事業者は「バーレーンやクウェートの港が閉鎖したという話もある」と明かす。

別の事業者は、UAEへの中古車の出荷を停止した。同国向けの売り上げが一時的に消失したことに加えて、保管料などの諸費用がかさむため業績への影響は小さくない。

航路は世界中でつながっているため、他の地域も無関係ではいられない。今後、ホルムズ海峡周辺の待機船が増えれば、新たな船舶は航路に入れなくなり、UAEなどに向かう船舶は一つ前の港で停泊せざるを得なくなる。停泊する隻数が増えれば、その港も船であふれかねない。中古車輸出に詳しい自動車流通市場研究所の中尾聡理事長は「事態が長期化すれば、世界中に混乱が広がる可能性もある」と見立てる。

耐久性の高さなど日本の中古車は中東やアフリカで人気で、UAEはその国々に車両を送り出す中継拠点となっている。日本中古車輸出業協同組合(JUMVEA、佐藤博理事長)によると、同国への2025年の輸出台数は前年比11.7%増の25万2637台と、仕向け地別で2年連続の首位だった。

UAEは中継拠点のため、同国を経由しなくても最終的な仕向け地に中古車を直接送ることも可能だ。とはいえ、輸送網の構築などに時間を要するため、代替策での対応も容易ではないとみられる。佐藤理事長は「影響がどの程度広まるかはまったくわからない」と懸念を示す。

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