商用車電装部品の澤藤電機、上場廃止へ ファンドがTOBを実施 筆頭株主の日野が3割保有

  • 自動車部品・素材・サプライヤー
  • 2025年12月19日

澤藤電機は12月19日、日本モノづくり未来投資事業有限責任組合が全株式を所有する特別目的会社(SPC)のARTS-4が、自社への株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。TOB成立後、澤藤電機は上場廃止となる見込み。

日本モノづくり未来投資事業有限責任組合は、投資ファンドのスパークス・グループが業務執行を担当する無限責任組合員(GP)を務めている。スパークスはIJTTやシンニッタンへの投資実績を持つ。CASE(コネクテッド、自動化、シェアリング、電動化)による自動車業界の変化を見据え、澤藤電機の生産性や技術力を速やかに高める必要があるとスパークスが判断。澤藤電機側もこれに賛同した。

買い付け価格は1株あたり1303円。12月22日~26年2月9日までの期間で買い付けを行う。澤藤電機の第2位の株主であるデンソー(9.27%)、同第3位のホンダ(6.03%)は、ARTS-4との間で公開買付応募契約を結んでいる。また筆頭株主で30.29%を保有する日野自動車は今TOBに応募せず、TOB成立後に澤藤電機が株式を取得する。これらの手続きを経て、最終的にARTS-4が株式の100%を取得する方針。

なお、総議決権数の3分の2以上になるように買付予定数の下限(36.08%)を設けており、これを下回った場合は買付を行わない。取引完了後、ARTS-4と澤藤電機は合併する予定。

澤藤電機は、商用車用の電装品などを手掛けている。2025年3月期の売上高は236億円。

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