日産系サプライヤー、中国事業に下げ止まり感 状況は依然厳しくも新型EVが好調

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  • 2025年12月10日 05:00

 日産自動車系サプライヤーの間に、中国事業の不振脱却への期待感が高まりつつある。日産は経営再建計画「リ・ニッサン」が徐々に具体化し、足かせだった中国でも新型車効果が表れつつある。2025年4~9月期決算は系列サプライヤーの大半が減収となるなど状況は依然として厳しいものの、各社首脳からは好材料を前向きに捉える声が出ている。

 「中国は今が底だとみている」-。自動車用ファスナーなどを手掛けるパイオラックスが4日開いた決算説明会で、平野哲司執行役員戦略企画部長はこう述べた。同社の売上高を系列別に見ると、日産が3割超を占め、ホンダが2割弱で続く。近年は両メーカーの中国事業が極度の不振に陥り、同社も業績への影響を被ってきたが、ここにきて歯止めがかかったとの見立てだ。地場勢の開拓による日本メーカー依存からの脱却は不可欠としながらも、中長期戦略でマイルストーンと位置付ける30年度時点でも、中国での日本メーカー向けの売上高は現状と同程度の70億円規模を確保できると見通す。

 日産は中国で矢継ぎ早に新型車を投入するなど立て直しを急いでいる。25年4~9月の生産台数は5年ぶりに増加した。かつての規模には程遠いものの、日米欧の生産が依然として落ち込む一方で上がり目は大きい。

 とりわけ中国での新型車効果は、稼働率の低下に苦しんできたサプライヤーにとっては一筋の光明だ。ヨロズの平中勉社長は「当社が受注した(新型電気自動車の)『N7』が7月以降、爆発的に売れている。中国事業は上期こそ困っていたが、N7効果でほぼイーブンになり、今期はなんとかなりそうだ」と胸を撫で下す。

 河西工業の古川幸二社長も「N7を受注できたことが大きい」と明かす。同社は長らくの販売不振に加え、連結会計処理の誤りなど経営上の混乱も重なり、前期まで6年連続の最終赤字に陥っていたが、中国を含めた各地域での再成長に自信を示す。日産は中国で27年までに計9車種の新型車投入を計画する中、「今後登場する新型車でも受注できるものと自信を持っている」と強調する。

 もっとも、N7をはじめとする新型車は現地合弁の東風日産が開発を主導し、価格低減の観点から現地調達を優先する。河西工業の古川社長は「日本のサプライヤーで入り込んでいるところはそれほど多くはない」と話す。「適正価格でも十分にコスト競争力があると判断して挑戦している」と説明するものの、中国での受注増が既存サプライヤーの収益に結び付くかは不透明だ。

 実際、N7の車両価格は日本円で約230万~300万円、5日に発表したプラグインハイブリッド車(PHV)「N6」も約220万~285万円と極めて廉価だ。サプライヤーにとっては、現地の調達網に食い込み、その上で収益を上げるという、高いハードルを超えられるかどうかで明暗が分かれそうだ。

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