「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」には、自動車関連の企業や団体など522者が出展した。整備などアフターサービスを手掛ける事業者のブースもあり、今後、発売を予定する新製品やサービスなどをアピール。JMSを自社の技術力や商品力を披露する場として活用していた。
東日製作所(辻修社長、東京都大田区)は、より使いやすい製品を目指す「+(プラス)デザイン」と、製作過程における検査の精度をさらに高めて品質を底上げする「+(プラス)クオリティ」の2つの新しいコンセプトを打ち出した。JMSで初公開したデジタルトルクドライバー「STC3」(参考出品)もその一つで、シンプルに扱いやすい形状とした。今後の新製品にも、これらのコンセプトを何らかの形で反映させる方針だ。
京都機械工具(KTC)は、6月の「オートサービスショー」でも披露した次世代の適正トルク管理アプリ「e整備―タイヤ」を展示。カメラで車両のナンバーを読み取り、その車に合ったタイヤのホイールナットの締め付けトルクの表示が可能で、管理方法を含めてデモンストレーションした。
同社は、創業75周年にちなみ、特別な工具セットを75個限定で抽選販売した。通常の製品はケースをコーポレートカラーに塗装しているが、あえてクリヤー塗装にすることで製作時のスポット溶接や防錆処理が分かるようにした。同社のものづくりに対する姿勢のアピールを狙ったもので、「同じ製品はできない」(KTC)としている。
工具や計測機器の販売などを手掛ける水戸工業(成田茂之社長、東京都千代田区)は今年立ち上げた新ブランド「プロテアン」の第1弾として、ブレーキキャリパーのピストンを水圧で簡単に取り外せる「エヌエスホッパー」を展示した。今回は東京モーターショー(TMS)時代から出展している個人向けの製品も展開し、水戸工機(成田浩明社長、茨城県水戸市)との共同出展。プロテアンはプロ向けの品ぞろえとしていく。
キーパー技研は、新たなコーティングメニュー「DIAMOND×DIAMOND(ダイヤツー)」を先行公開した。主力の「ダイヤモンドキーパー」に比べて3倍のつやが出るという。年内の発売を目指しているが、具体的なコンセプトや価格は調整中だ。
ボッシュ(クリスチャン・メッカー社長、横浜市都筑区)は、アフターサービス関連の取り組みとして「BVHC(ボッシュ車両健全性証明書)」を紹介した。スキャンツール(外部故障診断機)で、故障コードや衝突履歴、電気自動車(EV)の電池残量などを読み出して1枚のレポートにまとめられるもの。現在は欧州のみで展開しているが、中古車価格の透明性を高められるサービスとして、衝突履歴を検出する機能に限って年内をめどに国内にも導入する。
このほか、三菱ふそうトラック・バスでは、同社も参画しているドイツ専門職業訓練で自動車整備士の育成に取り組んでいることをパネル展示で説明した。ベンチャー企業が集まった「スタートアップ・フューチャー・ファクトリー」では、セイビー(千村真希社長、東京都港区)が出張整備や人材派遣の取り組みを紹介した。
整備戦略12月号では特集「〝半歩先〟の車とモビリティ社会を訪ねて―ジャパンモビリティショー2025レビュー―」を掲載します。


















