国土交通省は、2023年度のリコール(回収・無償修理)届け出の総対象台数が810万4217台(速報値)だったと発表した。前年度の1.7倍で、前年を上回るのは2年連続だ。国産車が約345万台増加した。デンソー製燃料ポンプの不具合や、共通部品を採用する車両の不具合が多かったことが要因とみられる。総届け出件数は同8.9%減の349件で2年ぶりに減少した。

 国産車は、総届け出件数が前年度と比べて3件増えて169件となり、5年ぶりに増加した。総対象台数は2年連続で増え、前年度比で約1.9倍の762万8040台となった。

 輸入車は、総届け出件数が同37件減の180件、総届け出台数が同23.8%減の47万6177台だった。いずれも2年ぶりに減少した。

 対象台数が最も多かったリコールは、ホンダが23年12月8日に届け出た「N-BOX(エヌボックス)」など計25車種、113万8046台分だった。不具合の内容は、デンソー製燃料ポンプのインペラ(樹脂製羽根車)がポンプカバーと接触して作動不良となり、最悪の場合、エンジンが停止する恐れがあるもの。

 続いて多かったのは、トヨタ自動車が「ヤリス」など3車種で前輪ロアアームのボールジョイント取り付け部に不具合があるとして、24年1月31日に届け出た79万329台分と、23年6月23日に届け出た59万4140台分。融雪剤への耐久性が不十分だったことや、製造が不適切だったことから、亀裂が広がって最悪の場合、脱落して走行不能になるなどの恐れがあった。