リバブレーションチャンバー試験室内
海外自動車規格対応複合塩水サイクル試験機

 OKIエンジニアリング(中井敏久社長、東京都練馬区)の埼玉県本庄市にある試験サービス拠点では、自動車に関わるさまざまな試験・評価を企画からアフターサポートまで一気通貫で対応する。公平で信頼性の高い試験サービスの提供を大前提に自動車メーカーやサプライヤーの依頼に柔軟に対応し、不具合が発見された製品については解析や改善策の提案も行う。ユーザーと伴走しながらサポートすることで製品の品質や安全性、信頼性の向上に貢献する。

 試験サービス拠点にはEMC事業部と計測事業部の試験所がある。計100台超の設備を有していることなどから同社によると国内では最大級の規模という。近年は電気自動車(EV)など電動車の普及や、先進運転支援システム(ADAS)などの搭載数が増えており、車両一台あたりに搭載される電子機器や部品も増加傾向だ。このようなトレンドを受けてOKIエンジニアリングへの試験・評価に関する依頼も増えているという。

 本庄市にある同社試験サービス拠点への依頼も多く、旺盛な需要に対応する拠点の特徴としては試験・評価の設備が充実していることなどが挙げられる。例えば電子機器のノイズ試験や測定に使う電波暗室類は大小16部屋用意され、その中で車載専用暗室は6基稼働している、また実環境に近い電磁環境を模擬した試験を行うリバブレーションチャンバー試験室などもある。

 さらに自動車がさらされる厳しい環境下を想定した試験も充実している。一例として「塵埃(じんあい)試験サービス」がある。エンジンルーム内のモーターや電子制御機器などを細かな粉塵が立ち込める環境下にさらして密閉性や耐浸食性、動作性を確認する試験だ。また、夏場などに車体が高温になることを想定し、温度変化を踏まえた耐水試験「加温耐水自動サイクル試験サービス」もある。

 その他、塩分による腐食や劣化を評価する「塩水噴霧試験」や「塩水サイクル試験」、ブレーキオイルやウインドーウォッシャー液を車載機器などに塗布して影響を評価する試験なども実施している。

 今後も自動車に搭載される部品や機器の増加に加えて、部品に使われる素材も樹脂やバイオマス素材、複合素材といったように多様化が見込まれる。試験サービス拠点では新材料を取り入れた部品の評価に関しても試験サービスを拡充して対応する方針だ。