芝浦電子へのTOB(株式公開買い付け)で、台湾の電子部品大手・国巨(ヤゲオ)は9月3日、外為法(外国為替及び外国貿易法)に関するクリアランスを取得したと発表した。TOBに必要な許認可のうち最後に残ったもので、これで最終的なTOBへ環境が整ったとしている。10日までとしていたTOB期間は18日まで延長する。

同社は8月27日、経済産業省との協議が整い、これを踏まえて外為法に関する承認を取得できる見込みになったと発表していた。「芝浦電子の中核技術を守りながら、同社の優れた製品を当社の広範な販売網と強固な顧客関係を活用して、グローバル市場に展開していく」としている。

外為法では、買収対象企業が経済安全保障などの観点で重要とされる場合、「コア事業」に区分され、その買収が問題ないかどうか審査される。ヤゲオはその内容を明らかにしていないが、関係者によると、ヤゲオは日本側の示す条件を「丸のみ」(関係者)したという。例えば、重要事業や拠点を切り売りしたり、日本から移したりしないことや、役員構成など影響力を抑えるような条件について、日本側の提示を応諾することで、承認を取り付けたようだ。