サブスクリプション(定額利用)サービスを手掛けるトヨタ自動車系のKINTO(キント、小寺信也社長、名古屋市中村区)は、モータースポーツファンの裾野拡大に向けた新事業に乗り出す。カスタマイズ(合法改造)車両のサブスク提供やレンタル、手ぶらでサーキット走行が楽しめるなどのサービスを始めた。モータースポーツを手軽に楽しんでもらうのが狙いで、トヨタ系の販売会社やサーキット運営会社と連携してサービスを提供する。
新サービス名は「モータースポーツbyキント(MOSKIN)」。①サブスク②レンタル③サーキットレンタル④走行・体験イベントの4つのサービスで構成している。
サブスクでは、トヨタ系レーシングチームのトムスが手掛けたカスタマイズ車両を提供する。サーキット走行が可能で「GR86」「GRヤリス」を各2台ずつと「GRスープラ」1台の5台を用意し、6日から抽選受け付けを始めた。サーキット走行前後のメンテナンスなどを考慮し、GRガレージでサービスを取り扱う。現在は、トヨタモビリティ(TM)東京の「GRガレージ東京三鷹/東京蒲田/東京北池袋/東京深川」、TM中京の「豊田元町」、京都トヨタの「京都伏見」と、トムスデザインセンター(静岡県御殿場市)の7カ所だ。
レンタルでは、トムスチューニングのカスタマイズ車両を東京・お台場にあるトムスのショールームで貸し出す。GR86、GRヤリス、GRスープラを用意した。
サーキットレンタルは、サーキットに配備された車をレンタルし、サーキット走行が楽しめるもの。袖ヶ浦フォレストウェイ(千葉県袖ヶ浦市)と幸田サーキットyrp桐山(愛知県幸田町)と連携して行う。利用料金にはレンタル料のほか、燃料代や消耗品代、サーキット利用料が含まれており、利用者は手ぶらでサーキットを訪れ、スポーツ走行を楽しめる。ウェブ経由でヘルメットやグローブ、走行枠も予約できるようにするなど、サーキット走行のワンストップサービスを提供する。
袖ヶ浦には「トヨタ86」とGRヤリス、幸田サーキットには「ヴィッツ」とトヨタ86を用意。ブレーキやシートなどサーキット走行に必要な改造を施してある。
走行・体験イベントでは、サブスク契約者向けの走行会や、プロドライバーによるドライビングレッスン、電気自動車(EV)カートで国内Aライセンスが取得できる走行会などを開く予定だ。
各種のサービスには、リース契約が満了した車両を活用する。リースにより適切な点検整備を経てきた車両をカスタマイズすることで、安心・安全な車両の提供と、リース満了車の二次利用による事業採算の改善を狙う。