ヤマハ発動機は5日、2025年12月期の通期業績見通しを下方修正した。米国の追加関税などのリスク影響を織り込み、売上高に相当する売上収益は期初見通しより1300億円少ない2兆5700億円、営業利益は1100億円少ない1200億円とした。売上収益は前年並みを見込むが、米国の追加関税が収益を圧迫する。

 同日、オンラインで開いた説明会で設楽元文社長は追加関税の影響について「上期は軽微に終わったが、下期以降は当初予定の25%が15%となり影響が懸念される」と語った。営業利益ベースの関税影響は、マリン事業で131億円、モーターサイクル事業は約40億円とみる。一方、値上げで約100億円を吸収し、通期影響は全体で224億円とした。5月の1~3月期決算発表時では、関税影響を500億円と試算していた。

 25年1~6月期の連結業績は減収減益となった。売上収益は前年同期比5.2%減の1兆2778億円、営業利益は同45.4%減の840億円だった。二輪車出荷はフィリピンをはじめ、最大市場であるインドネシアが堅調に推移した一方で、ベトナムやインド、ブラジルが減少した。モーターサイクル事業の売上収益は同4%減の7890億円だった。