小糸製作所は7月29日、中国で自動車用ランプの製造・販売を手掛ける湖北小糸車灯(湖北省孝感市)の生産体制を再編すると発表した。湖北小糸の事業のうち、標識灯の生産を2025年度内をめどに中国・広州小糸車灯(広東省広州市)と小糸九州(佐賀市)に移管。これにより湖北小糸は前照灯のみを生産する体制とする。主要納入先である日本メーカーの中国販売の不振を受けて中国事業の収益が悪化しており、生産能力の見直しが必要と判断した。

湖北小糸の現在の生産能力は、標識灯が年間180万台、前照灯は120万台となっている。

小糸は、中国に3カ所の生産拠点を構えており、3拠点の稼働率は約5割まで低下していた。このため25年4月には福州小糸車灯(福建省福州市)の解散を発表した。これらの再編により、今後の中国2拠点での前照灯生産の稼働率は約7~8割まで改善するとしている。

併せて同日、26年3月期の連結業績見通しを発表した。国内や米州での受注車種の増産や為替影響などのプラス要因のほか、中国事業の再編に伴う費用などを織り込んだ結果、前回公表値(4月24日付)から売上高は120億円増の8800億円、営業利益は同10億円減の360億円、純利益は同5億円増の225億円に修正した。