第3世代eパワーの電動駆動ユニット(右)

 日産自動車は26日、第3世代「eパワー」技術の説明会と試乗会を開いた。エンジンはエネルギー効率や静粛性などを改善。課題だった高速燃費も現行のeパワーと比べ15%向上させた。国内ではミニバン「エルグランド」に搭載して2026年度に発売し、ハイブリッド車(HV)人気が高まる北米市場でも同年度中に売り出す。電気自動車(EV)とeパワー車の2本立てで電動車の需要を取り込む。

 eパワーは、エンジンで発電した電力を使い、駆動モーターを回して走る日産のシリーズ(直列)式ハイブリッド技術。小型車「ノート」に搭載して16年に実用化した。現在は第2世代で、国内では「ノート」や「キックス」「セレナ」「エクストレイル」などに搭載している。

 第2世代から発電専用に設計したエンジンはさらに進化させた。EGR(排ガス再循環)量を増やしたり「従来のエンジン車には使えないような」(生浪島俊一執行職)大型ターボを採用。常用する毎分2千~3千回転での効率を高めた。熱効率の最高値は現行の39%から42%になった。

 駆動ユニットはジヤトコとの共同開発により、モーターと減速機、インバーター、発電機などを一体化することで小型化や振動の低減を図った。車内騒音は現行より5.6 デシベル 抑え、コストも第1世代比で2割減らした。

 シリーズ式ハイブリッドは高速走行時に燃費が落ち、騒音が高まるという課題がある。このため、北米への導入を見送っていたとみられる。高速燃費を改善させた第3世代から北米にもeパワー車を投入し、反転攻勢を狙う。けん引といった北米特有のニーズに応えるため、今後も技術開発を続ける。

 日産は経営再建に向け、計5千億円のコスト削減に取り組んでいる。開発面でも、26年度以降の先行プロジェクトの一部を止め、3千人体制でコスト改革に着手した。赤石永一執行役CTO(最高技術責任者)は「これまで丁寧に進めた結果、結果的に高コスト体質になっていた。(eパワーのように)重点を置くところをできるだけ早く決めて、必要なところにコストを投入していきたい」と語った。