トヨタ自動車の生産子会社であるトヨタ車体が、2025年度の生産計画を過去最高となる80万台に設定したことが分かった。24年度はトヨタグループにおける認証不正の影響などを受けて断続的に稼働停止が続き、生産実績は73万台だった。トヨタ車体は高級ミニバン「アルファード」など人気車を多く生産しており、今年度の生産台数目標を過去最高水準に設定し需要に対応する。
トヨタ車体は、アルファードをはじめ、ミニバン「ノア/ヴォクシー」、本格オフロード車「ランドクルーザー(300系、70系)」、商用バン「ハイエース」などを生産している。いずれも人気車種であり、需要に供給が追い付かない状況が続いており、納期の長期化や一部の車種では受注停止状態となっている。
24年は一部で生産停止を余儀なくされ、供給量も制限された。1月には豊田自動織機が手掛けるディーゼルエンジンで認証不正が発覚し、同エンジンを搭載するランドクルーザーやハイエースの生産を一時停止した。
その後は、「部品の欠品」や「製造工程の確認」などを理由に、吉原工場(愛知県豊田市)、富士松工場(愛知県刈谷市)、いなべ工場(三重県いなべ市)のいずれも断続的な稼働停止が続いた。さらに25年3月には、ばね部品などを手掛ける中央発條の藤岡工場(愛知県豊田市)で起こった爆発事故で、ミニバン4車種が影響を受けた。
25年度は前年度の稼働停止分の挽回も踏まえ、前年比1割増となる80万台の生産計画を掲げる。また、トヨタではミニバンについて、国内外問わず需要に応じてトヨタ車体以外での並行生産を検討しており、供給能力を引き上げる方針だ。