23年発売の新型「クオン」

 UDトラックスのトラクター販売台数が、2024年度に過去最多となる見通しであることが分かった。同社は前年比35.4%増の3913台を見込んでおり、同社が統計をさかのぼれる1991年度以降で、最も多かった94年度の3652台を上回り、30年ぶりに更新する見通し。港湾などトラクター需要が多い地域で販売活動を強化したことが効いた。2023年春に発売した現行型に追加した重機仕様車も好調で、今年度も営業活動をけん引した。同社の見立て通りになれば、国内のトラクター市場で2年ぶりにシェアが5割に復帰する可能性も高い。

 日本自動車販売協会連合会(自販連、加藤敏彦会長)の調べによると、24年4月~25年1月のUDのトラクター販売台数は前年同期比37.4%増の2853台。市場全体は同26.8%増の5702台。伸び率で10㌽以上も差をつけるなど、シェアトップを維持してきた強さをみせた。競合モデルの一部で、出荷問題を抱えていたこともUDへの追い風になったとみられる。

 商品力が高まったことも、受注拡大を後押しした。同社は23年4月、いすゞ自動車と共同開発した大型トラクターの販売を開始。現行型では重機などの運搬に対応した「6×4(前1軸/後2軸)」仕様車を加えるなど、商品構成を拡充。販売現場で試乗会を積極的に開催するなど、顧客との接点を増やしてきた取り組みも効果を上げたもようだ。

 24年度はこれまで、毎月高シェアを維持している。営業関連のある関係者は「2月以降も今の勢いが続く」とし、過去最多の更新に自信をみせている。