HVの販売好調が目立った(トヨタ「ヤリスクロス ハイブリッド」)

 欧州自動車工業会(ACEA)がまとめた2024年の新車販売(主要31カ国、乗用車)は前年比0.9%増の1296万3614台(前年比0.9%増)と前年比で横ばいだった。主要市場のドイツ、フランス、イタリアが景気の低迷で前年割れとなる中、スペインや東欧市場の販売が底堅かった。また電気自動車(EV)販売は199万3102台(同1・3%減)で、18年以降、初めて減少に転じた。

 パワートレイン別では、ガソリン車が427万3672台(同6.8%減)。ハイブリッド車(HV)は406万8308台(同19.6%増)と2割近く増えた。EVは、購入補助金が23年末で終了したドイツで同27.4%減、フランスも同2.6%減となった。プラグインハイブリッド車(PHV)は同3.9%減の95万2058台にとどまった。

 国別ではスペイン(同7.1%増)、ポーランド(同16.1%増)のほか、ハンガリー、クロアチア、ブルガリアなど東欧諸国が2桁増となった。一方、ドイツ(同1.0%減)やフランス(同3.2%減)は減少した。ドイツは24年のGDP(国内総生産)がマイナス0.2%となるなど景気が低迷している。

 メーカー別では、首位のフォルクスワーゲングループが340万7242台(同2.5%増)、ステランティスが196万9594台(同7.3%減)、ルノーグループが128万2453台(同3.2%増)だ。日本勢は、トヨタ自動車の100万6073台(同13.1%増)を筆頭に、日産自動車が30万7276台(同4.5%増)、スズキが20万3132台(同8.1%増)とおおむね好調だった。一方、マツダは同5.6%減の17万2347台。EV専業の米テスラも同10・8%減の32万7034台だった。

 24年12月の販売台数は109万1131台(同4.1%増)で、このうちHVは36万2154台(同29.5%増)だった。