スバルは19日、運転支援システム「アイサイト」の性能を高めるため、米半導体大手のオンセミと協業すると発表した。オンセミ製の先端イメージセンサーをスバル向けに専用設計して搭載する。人工知能(AI)も活用して画像認識の精度と処理能力を上げ、「次世代アイサイト」として2020年代後半の実用化を目指す。
オンセミは、AIの推論処理に必要な高精度の映像データを取得できるセンサーをスバルに提供する。光の当たり方を問わず、進行方向上の物体の奥行きや大きさ、距離を識別できるのが強みだという。これにより、運転環境の認識や判断の精度が格段に高まる。スバルは14年に実用化したアイサイト「バージョン3」にオンセミのセンサーを使うなど、以前から協業関係にあった。
スバルは、30年までにスバル車が関係する交通死亡事故の根絶を目標に掲げる。アイサイト進化に向けて、雪上など白線が見えない環境でもカメラとAI画像処理のみで運転を支援する技術などを研究している。米AMDとも、先進運転支援システム(ADAS)や車両運動領域を制御する「統合電子制御ユニット(ECU)」で協業している。オンセミの画像処理技術を活用することで、さまざまな走行環境下でも確実に運転を支援できるシステムの実現を目指す。