広州国際モーターショーが15日に広東省で開幕した。日本勢ではトヨタ自動車やホンダ、日産自動車、マツダの中国合弁メーカーがブースを出展した。新エネルギー車(NEV)で出遅れ、販売が苦戦している日本勢は最新の電気自動車(EV)をアピールし、反転攻勢のきっかけとしたい考えだ。
新型EVを初披露したのは日産自動車。東風汽車との合弁会社で開発したセダンタイプの「N7」は、中国の自動運転スタートアップ「モメンタ」とも提携し、高度な運転支援システムを搭載した。流線形の外観デザインを採用し、Cd値0.208と高い空力性能を実現した。49個のセンサーと人工知能(AI)でユーザーに最適な位置や角度に調整する高性能シートも搭載した。2025年上半期中に発売する。
トヨタは広汽トヨタ、一汽トヨタ、レクサスでブースを出展した。広汽トヨタはSUVタイプのEV「鉑智3X」、一汽トヨタはクロスオーバーEV「bZ3C」を展示した。いずれも4月の北京モーターショーで初披露したモデルだ。レクサスでは新型ハイブリッドシステムを搭載した「LX700h」を披露した。価格は125万元(2702万円)から。
ホンダは、近く発売する中国専用EV「イエシリーズ」のSUV「S7」と「P7」を展示した。EV専用プラットフォームを採用したモデルで、S7は24年末、P7は25年前半に発売する。
比亜迪(BYD)は25年前半に発売予定のプラグインハイブリッド車(PHV)の高級ミニバン「夏(シア)」の内装を初公開した。価格は30万元(約650万円)台で、3つの大型ディスプレーやマッサージソファ、冷蔵庫などを備える。
スマートフォン大手の小米(シャオミ)はサーキット走行を意識した高性能EV「SU7ウルトラ」を出展した。同社初の「SU7」に専用の内外装を採用し、3つの駆動モーターで1548馬力を発揮するという。電池は寧徳時代新能源科技(CATL)と共同開発した「麒麟2.0」を搭載する。来年3月の発売に向け、事前注文の受け付けを始めた。価格は81万元(約1800万円)超だ。
広州ショーは24日までで、約1200社が出展している。昨年は1132社が出展し、約84万7千人の来場者を集めた。