NTTの島田明社長は11月7日の決算発表会見で、トヨタ自動車と共同開発する「モビリティAI基盤」について、トヨタが静岡県裾野市で建設を進める人工都市「ウーブンシティー」や、東京本社を移転する予定の東京・品川地区も含め実証が進むとの見通しを明らかにした。また、NTTの次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」で開発を進める光電融合デバイスは、将来的には車載にも活用できるとの見方も示した。
両社は交通事故抑制に向けた人工知能(AI)や通信基盤の共同開発をめぐって協業する方針を発表している。島田社長は「トヨタの佐藤恒治社長が(モビリティAI基盤について)ウーブンシティーで実証を進める方針を示している。(トヨタの新東京本社のできる)品川地区は、都市計画の関係で再開発が遅れているが、(そこも含め)新たな取り組みを進める上でふさわしい場所でトライアルしていきたい」と、品川周辺を含めて実証が進むとの考えを示した。
モビリティAI基盤の開発では、光電融合デバイスの活用が見込まれている。島田社長は、「極端に言えば、ワイヤーハーネスを光にすることもできる。今も光の導波路などがあり、耐久性の課題を解決する必要があるが、光に置き換えることは十分ありうる」とし、光電融合デバイスを車載に展開できる可能性を示唆。「オポチュニティー(機会)はありうると考えており、自動車メーカーや電装メーカーとも話し合いたい」と意欲を示した。