テキサス・インスツルメンツ(TI)は、会津工場(福島県会津若松市)で、GaN(窒素ガリウム)ベースのパワー半導体の生産を開始したと発表した。会津工場での生産によってTIのGaNパワー半導体の生産能力は従来比4倍に増えた。

 同社は現在、米国テキサス州ダラスでGaNパワー半導体を製造しているが、新たに日本での生産も開始した。会津工場では200㍉㍍ウエハーでGaNを製造する。

 TIではGaNチップを内製する能力を従来比4倍に引き上げることで、GaNパワー半導体の需要拡大に備える。2030年までにGaNチップの内製率は95%以上になる見通し。

 GaNパワー半導体はエネルギー効率が高く、スイッチング速度も速くて、高温や高電圧の厳しい環境下でも高い性能を発揮する。将来は電気自動車(EV)などの電動車向けにシリコンやSiC(炭化ケイ素)に代わるパワー半導体として有望視されている。