開設された新工場

 独インフィニオンテクノロジーズは、電気自動車(EV)や急速充電ステーションなど向けの次世代パワー半導体の生産を、マレーシアで開始した。第1段階として、20億 ユーロ (約3200億円)を投資した新工場がこのほど稼働。第2段階の工場にも最大50億 ユーロ を投じて、2027年の完成を見込む。

 クダ州に設けられた新工場は、炭化ケイ素(SiC)のウエハーを使った次世代パワー半導体の製造に重点を置くとともに、窒化ガリウム (GaN)半導体も手掛ける予定だ。SiC半導体は、EV関連や、鉄道、再生可能エネルギーシステム、AI(人工知能)データセンターなどの需要を見込む。

 第1段階での雇用は約900人で、第2段階も含めると雇用は最大約4千人規模となる。ヨッヘン・ハネベック最高経営責任者(CEO)は「200㍉㍍の大口径SiCウエハーの生産工場としては、世界最大規模」としている。

 マレーシアのアンワル首相は「EVや再生可能エネルギーを含む多くのアプリケーションの効率を向上させるこの技術は、将来的に世界的な脱炭素化への取り組みの中心的な役割を果たす」と歓迎した。