自動車整備・販売に携わる石泰商会(中村禎吾社長、愛知県西尾市)は、若手社員を中心に組織体制の改革を実施し、働きやすい環境の整備やスタッフのモチベーションアップに努めている。本来の同社の魅力を維持しつつ、社員の評価基準策定や中期経営計画を明確化し、社員の団結力、士気の向上につなげる。
同社の改革の中核を担ったのは、中村社長の息子の禎睦専務だ。共に入社した2人のスタッフは、学生時代から一緒に学んできた友人でもあり、会社をより良くしていくにはどうすればいいか、日常的かつ気軽に会話をしていた。そこから浮かび上がってきたのが、同社のアイデンティティーとビジョンの不明瞭さだ。元来、同社はお客さま第一をモットーとし、誠実な仕事ぶりで地元ユーザーから信頼を集めてきた。一方でそれらが明文化されておらず、「何となく皆知っているが、言葉に出せない状態」(中村専務)だった。
そこで、若手による、会社が重視することや将来のビジョンを明確にしたいという声に応え、中村社長もまた胸の内にある同社の信条を明文化し、社員全員と共有した。将来のビジョンが明確になったことで、行動指針や目標も定まり、同社の新たな魅力や課題の洗い出しに成功した。スタッフも明確な目的意識をもって仕事をすることで、社内の雰囲気は活性化し、以前に増して社員同士の交流が増えた。売り上げに関しても、過去の実績をデータ化し、現在の課題や傾向を可視化したことで目標を立てやすくなり、整備部門で入庫台数、売り上げの増加という結果につながった。
同社は今後、採用にも広げる方針だ。明確になったアイデンティティーやビジョンを求職者に伝え、より強く同社の魅力を訴求する。さらに売り上げについても整備部門と販売部門の連携を図り、より顧客のニーズに合わせた提案が可能な仕組みづくりに注力する。中村専務は「まだ改革は始まったばかり。トライアンドエラーを繰り返し、より社員にとってもお客さまにとっても良い会社にしていきたい」と展望を語る。
<受賞コメント>
中村 禎睦専務
受賞の報を聞いたときには、まさか当社がと驚いた。授賞式で他社の取り組みを聞き、当社の取り組みが他の受賞企業と肩を並べるとの評価を受けたことを実感し、とてもうれしく感じている。
とはいえ、当社の取り組みはようやく一歩を踏み出したばかりで道半ばのものだ。現在は一つひとつ課題も見えてきたため、今後もしっかりと前を見据え、支えてくれる仲間と共に、改革を推し進めていきたい。
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