ルネサスエレクトロニクスは、ソフトウエアが自動車の性能を左右するソフトウエア定義型車両(SDV)を開発するプラットフォーム「R―カーオープンアクセス(RoX)」の提供を開始したと発表した。自動車メーカー各社が本腰を入れているSDV開発に必要なほとんどの基本レイヤーを統合したツールで、SDV設計の複雑さを軽減して開発期間とコストを削減するとしている。

 RoXプラットフォームは2つのパッケージで提供する。オープンで簡単にアクセスできる「ホワイトボックス」と、量産車に使えるように業界で実績ある商用ソフトウエアや「AUTOSAR」に準拠するソフトウエアなどをベースとする「ライセンスド」。

 ルネサスのR―カーSoC(システム・オン・チップ)やマイコンで動作するように事前にテストしている。先進運転支援システム向けや、車載インフォテインメント向けのアプリケーションにも利用可能で、ニーズに応じて柔軟にカスタマイズや拡張して量産車に適用できる。

 プラットフォームは「AIワークベンチ」開発環境の一部としてアマゾンウェブサービス(AWS)クラウドコンピューティングサービスをサポートする。R―カーのソフトウエア開発キットはAWSクラウド環境でコンテナ化されており、開発者は効率的に設計を最適化できるとしている。