アイサイトのカメラ部

 スバルは18日、安全技術に関する説明会を開き、目標とする「2030年死亡交通事故ゼロ」に向けた取り組みを説明した。「アイサイト」などの予防安全と受動安全を相互に高め、交通死亡事故の削減を目指していく。

 同社は、視界の良さといった「走行安全」、先進運転支援システム(ADAS)による「予防安全」、受動安全を指す「衝突安全」の3段階で安全性を高めている。17~21年までの5年間に発生した、米国でのスバル車が関係する545件の死亡事故を分析し、特異なケースを除く94%をカバーできる技術を開発する。

 同社によると、歩行者が関係する事故は38%が自車の右左折時に、自転車との衝突では、左右からの出会い頭のケースが55%を占める。特に歩行者が横断歩道上を車両前後から渡るケースや、自車よりも速いスピードで自転車が横断する場合などは見逃しが発生しやすいという。「クロストレック」では「アイサイト」に加えて単眼広角カメラを採用し、被害がより減らせるようにした。衝突安全でもシミュレーションを活用し、衝突相手も保護するフレーム形状を採用している。

 同社はアイサイトについて、半導体大手の米AMDとの協業で進化させる方針を公表済みだ。人工知能(AI)を駆使し、現行のカメラよりも複雑なシーンでも状況を認識できるようにしていく。