ニッパツは、放熱板である「ヒートシンク」を一体化した次世代電子基板を2026年をめどに量産する。ヒートシンクに直接、基板を接着できる仕様にして導電性を高めた。駒ヶ根工場(長野県駒ヶ根市)で量産できるよう準備を進める。電動車シフトで引き合いが増えるインバーター用のパワー半導体などで採用を見込んでおり、エンジン向け部品に代わる新たな製品群として育てていく考えだ。

 開発した「ヒートシンク一体型基板」は、ヒートシンクと回路銅の間に配置した樹脂絶縁材で接着する。接着に用いていたグリースを不要とし、熱抵抗値を従来比で25%低減した。基板の厚みは1.0㍉㍍程度までが一般的だが、次世代品では2倍近い2.0㍉㍍までの厚銅回路の形成を可能とした。セラミックなどでは難しい「ねじ止め」にも対応するなど加工性も高めたと言う。

 駒ヶ根工場で26年頃の量産開始を見込む。現在、敷地内に新棟を建設しており、次世代基板を含む金属基板全体の増産体制を整える。インバーターのほか、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)パワー半導体やSiC(炭化ケイ素)アプリケーションなどでの採用を見込む。

 電動車シフトが進むと、同社の主力であるばね部品は、エンジンやトランスミッションなど内燃機関車向けが減る。茅本隆司会長CEO(最高経営責任者)は「(将来的に)300億~400億円くらいの売上げが減る見込みだ」と語る。これらの減少分を補うため、パワー半導体などに用いる金属基板で30年に300億円の売上げを目指す。次世代電子基板の市場投入で、30年目標の達成にはずみをつけたい考えだ。

(2024/6/14更新)