戸田工業は、新中期経営計画を公表し、2026年度までの今後3年で累計55億円を投資する方針を示した。日本やアジア地域で車載用モーターなどに用いる磁石材料の生産能力を増強するほか、リチウムイオン電池(LIB)の正極材料の生産能力を引き上げる。成長領域である電気自動車(EV)関連への投資を積極化し、23年度に0.4%だった営業利益率を26年度に5%まで引き上げる方針だ。

 55億円のうち、45億円をEV関連など成長が期待できる事業の設備投資などに充てる。今後3年で、モーターやセンサーなどに用いる磁石材料を生産する日本、中国、タイの3拠点で能増投資を実施する。また、中国の射出成型磁石を手掛ける江門協立磁業高科技を子会社化し、磁石の材料だけではなく、成形品を扱うビジネスを強化する。

 LIB材料では、独BASFとの合弁会社で生産する正極材の能増投資を今秋に完了させる。25年から新設備を用いて本格的に量産を始め、年産能力を6万㌧規模に拡大する考えだ。

 電池材料などを含む「電子素材事業」の売り上げを、26年度に285億円(23年度は181億円)、営業利益率を7%(同4%)に引き上げる。