会見した趙社長(右)と堀井社長

 オートバックスセブンは5日、ヒョンデモビリティジャパン(趙源祥社長、横浜市西区)と同社の高性能モデルに装着可能な独自のカスタム部品の開発で協業すると発表した。同日、同社が発売した新型の電気自動車(EV)「アイオニック5N」の専用パーツを手掛ける。2025年1月に開かれる大型イベント「東京オートサロン」で試作品を公開する予定で、これ以降に市販化する。プロレーサーの土屋圭市選手が監修し、国内ユーザーのニーズに応えられる製品としていく方針だ。

 両社はヒョンデのEV「アイオニック5N」の発売に合わせ、連携拡大を公表した。同モデルはヒョンデの高性能ブランド「N」初のEVとなる。オリジナルのカスタム部品は専用設計したサスペンションやブレーキなどとみられる。

 ヒョンデ自身も「Nパフォーマンスパーツ」として、カスタム部品を展開しているが、日本ではオートバックスと組みオリジナルの部品も提供する。ヒョンデ側はユーザーに多様なパーツの選択肢を提供することで、車両販売の拡大につなげる狙い。オートバックスは中長期市販市場を見据え、EVのカスタム需要の獲得を目指しており、新たなファンの獲得に役立てる考えだ。

 ヒョンデの高性能パーツの販売でも協力する。近く大規模店の「アピットオートバックス京都四条」(京都市右京区)にNパフォーマンスパーツを取り扱う「Nスペース京都四条」を設置。ここで今秋にも販売だけではなく、車両への取り付けサービスも提供する。

 オートバックスセブンでは23年2月、同店にヒョンデ車の常設展示場を開設。24年に入ってからも、大型店「スーパーオートバックス」の7店舗に、体験拠点を設けるなど、協業の幅を広げてきた。同社が中長期的な事業戦略として取り組む、EVを含む次世代自動車に関するビジネスの開拓の一環。EVのメンテナンスを請け負うことで整備技術の知見を獲得すると同時に、率先してEV関連の用品や部品を取り扱っていくことで、カスタム需要を取り込んでいく考えだ。