ボッシュは21日、記者向け説明会を都内で開き、2023年の日本での売上高は前年より約23%増え、約4200億円と日本での事業開始以来、過去最高だったことを明らかにした。クラウス・メーダー社長は「日本の自動車市場全体の回復を上回る好調さを示した」と語った。

 電動関連製品などの本格生産開始が寄与し、ハードからソフトウエアまでの幅広い製品群の売り上げが伸びた。物流の正常化や為替効果も好業績を後押ししたという。24年の日本の売上高は「国内の経済成長は緩やか」(メーダー社長)とし、微増を見込む。

 経済産業省などが打ち出したSDV(ソフトウエア・デファインド・ビークル)の取り組みについて、メーダー社長は「時宜を得たもので歓迎する。SDV化は将来に向けての大きなトレンドだ」と語った。マイクロソフトとの生成AI(人工知能)をめぐる協力に関連しては「ボッシュはかねてAIに取り組んでおり、製品開発と生産プロセス、製品の3分野で活用が進んでいる」とした。横浜市都筑区への本社機能移転を控え「部門をまたいだ事業を進める」とも語った。